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眼視で流星数を数える計数観測は、一般的に一人が見た流星を数えます。これを個人計数観測と言います。国内の多くの観測者は一人で観測を行っていますが、一人で観測にのぞむ場合には、空を観察しながら、ほとんど目を離さずに流星の出現を記録する必要があります。この方法は少々コツが必要で、はじめは多少難しいかもしれません。
そこで今回は、二人以上のグループによる観測で、記録者をもうける場合も合わせてご紹介することにしました。安全性の点からも、グループで観測にのぞんだ方がよいと思われます。ぜひ参考にしてください。
街灯などのあかりが無く、またできるだけ広く見渡せる場所を探します。
流星の観測地には、「光害」と呼ばれるいわゆる市街地の明かりの影響の少ない場所が適しています。市街地など夜空が明るい場所では、暗い流星が見えなくなるからです。この影響は集計時に、最微星光度の観測をもとに補正されますが、あまり空の明るい場所では結果の誤差が大きくなってしまい、集計から省かれてしまいます。より精度のよい観測のためには、市街地から離れた、空の暗い場所で観測するのがよいでしょう。
一方で、暗い場所というのは人気(ひとけ)が少なく、危険性も高まります。今回はより安全に観測ができるよう、グループで観測にのぞむこともおすすめしておりますが、くれぐれもお気をつけください。
また、例え空の暗い場所でも、木々や建物で視界が狭くなってしまうと、見られる流星の数がとても少なくなってしまいます。この影響は雲量の観測に加えることで補正することも可能ですが、できる限り夜空を広く見渡せる場所が観測に適しています。 なお、立ち入り禁止の場所や、私有地にはくれぐれも立ち入らないよう、ご注意ください。夜間出入りが可能な、広く見渡せる公園などがよいと思われます。
目が暗さに慣れて、暗い星や流星が見えるようになるには時間がかかります。観測地に到着してから30分程度は目を慣らしましょう。
目が暗さになれて、薄暗い中でも見えるようになることを暗順応と言い、30分から1時間かかると言われています。星や流星は、大変かすかな光ですので、きちんとした観測をするには、観測地に着いて30分程度目を慣らしてから行うようにします。
これとは逆に、目が明るさに慣れることを明順応と言いますが、こちらはわずかな時間で順応してしまいます。一度明順応すると、再び暗さに慣れるにはまた時間がかかってしまいますので、観測中は明るい場所やライトを避けます。
一方で人の目は、赤い光では明順応しづらいため、記録用紙を照らしたりする場合には赤く減光した懐中電灯などを使うようにしましょう。
1回の観測時間は、30分をおすすめします。休憩をはさみながら、何度か繰り返すスケジュールを決めましょう。
グループの場合は流星の数を数える担当を一人決めます。また記録の担当を決めます。
2人ならば1回ずつ2交替、3人ならば同様に3交替のスケジュールをまず決めましょう。
現在の流星観測では、一人で見た流星を数えるようにしています。これを個人計数観測といいます。今回は、二人またはグループによる観測もご紹介していますが、その場合も、必ずその時間に観測を担当する人を一人決めましょう。二人以上が空を見上げていても全く構いませんが、記録する流星は、担当された一人だけが見た流星のみを記録するようにします。
正式な観測とするためには、観測する時間は30分以上が必要です。一般的には1時間あたりの流星数を比較しますが、いきなり1時間観測するのは集中力を保つのが大変です。そこで30分ずつに区切り、何度か行うことをおすすめいたします。
開始は、一般的に毎時00分とか30分から始める人が多いのですが、きちんと開始と終了時刻さえ記録してあれば、いつ始めて、いつ終わっても構いません。例えば、23時59分から始めて0時32分に終わっても、記録をしておけば全く構いません。
どのくらい暗い星が見えるか(最微星光度)を調べます。星空の中の決められたエリアの中に見える星の数を数えて記録します。できれば、4等よりも暗い星が見える場所で観測しましょう。
天の川がはっきり見えるような暗い空と、やや白んでいてあまり星が見えないような市街地に近い空では、流星が見える数が随分と変わってしまいます。空の条件が違うと、観測結果を同じようには比較できません。この影響を補正するために、その星空に見える最も暗い星の等級「最微星光度」を調べます。
これを調べるためには、比較的明るい星で囲まれたエリアの中の星の数を数えます。それぞれが観測する際、開始前と終了後には必ず調べるようにしましょう。
星空にあるエリアは、決められています。以下におもなエリアの星図を示しますので、ご利用ください。なるべく天頂に近いエリアを使用します。
正式な観測をするには4等よりも暗い星が見える星空が求められます。できれば5等くらいまで見える空で観測するようにしましょう。これよりも空の条件が悪いと、誤差が大きくなってしまうため、観測データを集計してもらえない場合が出てきてしまいます。
観測者が見える空全体のうち、雲がどのくらいを占めるか(雲量)を記録します。空全体を雲が覆っている状態が10、雲がない快晴が0で、例えば半分を雲が覆っていたら5とします。
ただし雲量4以上のときは、観測結果として集計されない場合があるので、観測を見合わせます。
雲が出ていて空の見える範囲がせまくなると、当然見られる流星の数が減ってしまいます。そこで「雲量」を調べて記録します。
雲量も最微星光度と同様に、観測の開始前と終了後に調べますが、刻々と変化する場合は、途中でも時刻とともに記録しておくようにしましょう。