「8月12日から13日にかけての夜」か「8月13日から14日にかけての夜」に、最も活発に流星が出現すると考えられます。
流星群の活動が最も活発になること(あるいはその時期)を「極大」と呼びます。今年の極大は、8月13日の昼過ぎ(昼間)だと予想されています。このとき日本ではもちろん流星を見ることはできませんが、極大前後である「12日から13日にかけての夜」と「13日から14日にかけての夜」は、流星群の活動が比較的活発な状態が続いているため、普段より多くの流星を見ることができると考えられます。
また、ペルセウス座流星群の活動は8月11日頃から15日頃まで続きます。極大前後の晩でなくても、活動の続いている期間に観察すれば、極大のときよりは少なくなりますが、普段よりは多くの流星を見ることができると思われます。
真夜中から明け方までの間に観察するのがよいでしょう。
極大は8月13日の昼過ぎと予想されています。この時刻に近いほど、流星群の活動は活発だと考えられます。
ただ、流星の出現数を考えるときには、流星群の活動の活発さだけでなく、放射点の高さも考える必要があります。ペルセウス座流星群の場合、21時より前は放射点がまだ地平線に近い低い位置にあるため、多くの流星を見ることは望めません。これは、放射点が低いときには、流星の元となる物質が地球の大気に斜めに飛び込んでくるため、見える範囲に飛び込んでくる流星物質の数が少なくなり、流星群の活動自体は活発であっても、流星の出現数は少なくなってしまうためです。
その後は明け方まで、時間が経過するにつれて放射点の高度が高くなっていきます。放射点がある程度高くなり、流星が活発に出現するようになるのは、真夜中過ぎのことです。それから、放射点の高度はさらに上がりますので、(放射点の高度のことだけを考えると)空が明るくなり始める直前に、最も多くの流星を見ることができることになります。
一般的には、さらに月の状況を考える必要があります。今年(2011年)の場合は8月14日が満月のため、キャンペーン期間中毎晩、夜の間はずっと満月に近い明るい月が出ています。そのため、月明かりに邪魔されて、暗い流星が見づらい状態が一晩中続きます。
流星の出現状況は正確には予想できませんので、あまり予想だけにとらわれず、21時頃から翌朝明るくなり始める前まで、なるべく長い時間観察を続けると、それだけ流星を見る機会が増えることになります。空が明るくなり始める時刻は「こよみの計算」で日の出時刻を調べることで知ることができます。どうぞご利用ください。
各地の日の出時刻を調べるには、暦計算室の「こよみの計算」へ
見る方向を気にする必要はありません。
ただし、月のある方向は避けたほうがよいでしょう。
ペルセウス座流星群の放射点は、ペルセウス座のγ(ガンマ)星の近くにあります。「放射点」とは、流星の軌跡を逆向きに延長したときに通る点のことです。流星は、放射点のある方向だけに流星が出現するわけではなく、夜空のどこにでも現れます。例えば、放射点とは反対の方向を見ていても、平均すれば、放射点の方向を見たときと同じ数の流星を見ることができます。
ですから、放射点の方向にはあまりこだわらず、できるだけ空が広く見渡せる場所を選んで、空の広い範囲に注意を向けるようにしましょう。空をより広く見渡しているほうが、より多くの流星を捉えられる可能性が高くなります。
放射点近くに出現する流星は、こちらに向かって飛んでいるために短い軌跡の流星が多く、一方、放射点から離れた方向では、流星の軌跡を横から見ることになるために、長い軌跡の流星が多く観察されます。
ただし、今年(2011年)の場合には、空に明るい月が輝いています。月が視野の中心にあると、月の強い光のために暗い流星が見えなくなってしまいますので、月の方向を向いて観察するのは避け、なるべく月が視野に入らないように観察したほうがよいでしょう。
図は、8月中旬、(午前)0時頃の、北東の方角の星空を示しています。明るい月明かりがあるためこれほど暗い星は見えないと思われますが、放射点を探す目安となるよう暗い星まで描いてあります。
※ 星は日周運動によって動いています。0時より何時間も前や0時を過ぎて何時間も経つと、星の見える位置がこの図とは違っていきますのでご注意ください。(観察する地点による差はあまりありませんので、0時であれば東京以外でもこの図を利用できます。)
今年は満月に近い月の月明かりがあるため、暗い流星は月明かりに埋もれて見ることができません。
ペルセウス座流星群は、活動が極大の頃、月の見えない夜に十分暗い場所で観察をすると、1時間に30個以上の流星を見ることができます。しかし今年(2011年)は、活動が極大となる前後には、満月に近い明るい月が一晩中出ており、暗い流星は月明かりに邪魔されて見ることができません。そのため、実際に見ることのできる流星の数はたいへん少なくなってしまうと考えられます。
それでも、明るい流星が出現すれば、月明かりに埋もれることなく見ることができますので、明るい流星の出現に期待したいものです。
日本全国どこででも見ることができます。
世界的に見ると、予想される極大の時刻で観測に適しているのは大西洋からアメリカ東海岸あたりです。しかし、極大の前後1日程度は流星群が活発に活動する時期が続きますので、世界のどこであっても、ある程度の数の流星を見ることができるでしょう。月の影響については、世界のほとんどの場所で避けることができません。
ただし、赤道以南では放射点の高度があまり高くならないため、観察条件がよいとは言えません。
できるだけ、街灯など人工の明かりが少ない場所を選びましょう。
流星などほとんどの天体が出す光は、街灯の明かりなどに比べるととても弱いものです。人工の明かりが少なければ、人工の明かりに邪魔されて見ることができなかった暗い流星も見ることができるようになり、それだけ、多くの流星を見ることができます。
また、大都市には人工の明かりがたくさんあります。大都市から離れることでも、暗い流星を見ることができるようになります。
望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で観察してください。
望遠鏡や双眼鏡を使用すると、見ることのできる範囲がたいへん狭くなるために、かえって観察しづらくなります。
流星の軌跡を逆方向に伸ばした先が、ペルセウス座流星群の放射点を通るかどうかを確かめます。
通れば、その流星はペルセウス座流星群の流星である可能性が高いと考えることができます。(ペルセウス座流星群の流星は、その放射点を中心に、放射状に出現します。)
放射点の位置については、国立天文台暦計算室の「今日のほしぞら」もご利用ください。代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)といっしょに、ペルセウス座流星群の放射点の位置を調べることができます。
ひと晩のうちには、どの流星群にも属していない流星もいくつか出現します。このように「群」に属さない流星は「散在流星」と呼ばれます。また、この時期、出現数は少ないながらも、ペルセウス座流星群以外の流星群も活動しています。そのため、この時期に流星を見たからといって、その流星が必ずペルセウス座流星群の流星であるとは限りません。
群流星の見分け方について
暦計算室「今日のほしぞら」([ペルセウス放射点]と表示されています)
- ・遅い時刻に屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子さんは、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。また、まわりの皆さんの迷惑にならないよう気をつけてください。
- ・明るい屋内から屋外に出てすぐには、目が暗さに慣れていません。何分か屋外にいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
- ・また、普段の生活では、夜の屋外で何十分もじっとしていることはなかなかないかもしれません。暖かい季節ですが、寒さには十分注意してください。普段外出するときよりも厚着をする、防寒着や寝袋を使うなど、寒さ対策を十分にして観察に望んでください。
- ・虫の多い季節ですので、虫よけや虫さされの薬なども用意したほうがよいかもしれません。
- ・立ったままで流星を観察すると、上を向いた無理な姿勢を長時間続けることになります。レジャーシートなどを用意して、寝転がったまま観察できる準備をしておくと、楽に長時間観察を続けることができます。
もっと詳しく流星群を観察したいという方には、上級者向けの観察ガイドを用意しました。「上級者向け」と言っても、いくつかの点に注意すれば、簡単に始めることができますので、ぜひチャレンジしてください。