流星の見分け方
ペルセウス座流星群を観察していると、別の流星群の流星や、どの流星群のものでもない流星が現れることがあります。この時期に見た流星がすべてペルセウス座流星群の流星というわけではないのです。
このページで、ペルセウス座流星群の流星かどうかを見分ける方法をマスターしましょう。
※流星群の流星を「群流星」と呼び、どの流星群でもない流星を「散在流星」と呼びます。
流星を反対方向にたどろう
流星の軌跡を反対の方向にたどってみましょう。たどった先が、ペルセウス座流星群にある「放射点」を通ればペルセウス座流星群の流星の可能性が高く、「放射点」を通らなければペルセウス座流星群の流星ではありません。
では、「放射点」とはなんでしょう。
次の写真は、ペルセウス座流星群が極大を迎える頃に、ペルセウス座周辺を撮影したものです(赤い線で結んだ星座がペルセウス座)。写真には、ペルセウス座流星群の流星がたくさん写っています。よく見ると、どの流星も、ある点を中心に放射状に現れていることがわかります。中心となるこの点のことを「放射点」と呼びます。
流星の元になる物質が放射点の方向から私達に向かって飛んでくるため、地上で見ている私達には、流星が放射状に現れるように見えるのです。
放射点に近い場所に現れた流星は経路が短く、放射点から遠い場所では経路が長く見える、という性質もありますが、最初はあまり気にせずに、流星を見分けることにチャレンジしてみましょう。
放射点はどこ?
ペルセウス座流星群の放射点はペルセウス座にありますが、あまりなじみのある星座ではありませんね。
次の図を見て、カシオペヤ座などなじみのある星座や、ぎょしゃ座の1等星カペラなど明るい星の位置から、放射点の位置の見当をつけましょう。
クリックすると大きな画像が表示されます。(実際の星空には、放射点の位置を示す目印はありません)
放射点の位置については、国立天文台暦計算室の「今日のほしぞら」もご利用ください。代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)と一緒に、ペルセウス座流星群の放射点の位置を調べることができます。
暦計算室「今日のほしぞら」([ペルセウス放射点]と表示されています)
放射点を探すときに便利なアプリ
放射点を探すとき、スマートフォンを持っている方ならば、星空を見るときに役立つ便利なアプリを使うこともできます。例えば、スマートフォンを空にかざすと、その方向に見えている星座の名前など、さまざまな情報を表示してくれるものがあります。
ご自身で使いやすいものを探してみてはいかがでしょう。
ただし、スマートフォンの画面は明るいので、そのまま使うと、せっかく暗さに慣れた目がくらんでしまいます。また、他の人の迷惑になってしまうこともあります。できれば「夜間モード」などに切り替えて利用すると良いでしょう。
見分け方の例
次の図は、ペルセウス座流星群の流星かどうかを見分けた例です。(背景の星図はアストロアーツ社のステラナビゲータを使用して作図しています)
ペルセウス座流星群の流星の例
- 1. ペルセウス座流星群の流星です。放射点から比較的離れているので、経路が長く見えます。
- 2. ペルセウス座流星群の流星です。
- 3. ペルセウス座流星群の流星です。放射点に近いため、経路が短く見えます。
ペルセウス座流星群の流星ではない例(散在流星または他の群流星)
- 4.放射点に近いのに経路が長いため、ペルセウス座流星群の流星ではありません。
- 5.放射点から比較的離れているのに経路が短いため、ペルセウス座流星群の流星ではありません。
- 6.放射点に向かって流れているので、ペルセウス座流星群の流星ではありません。
- 7.放射点から流れてきていないので、ペルセウス座流星群の流星ではありません。