ペルセウス座流星群など、流星群に属する流星を「群流星」と呼びます。しかし、極大期で群流星がたくさん流れる時期であっても、流星群ではない「散在流星」と呼ばれる流星も、もちろん流れるのです。ペルセウス座流星群の活動を調べるためには、「群流星」と「散在流星」を区別して数える必要があります。今回のキャンペーンでは、できるだけこの区別も報告していただくことにしています。
では、どのように区別すればよいのでしょうか。まずは流星が、「放射点」から流れてくるように見えるかどうかを、チェックします。
放射点は、地球から見て流星群の元になるチリの粒が、地球に飛び込んでくるおよその方向を表しています。流星群のチリの粒は平行に飛び込んできますので、地上から見上げてみると、放射点を中心に、四方八方へ放射状に広がるように流れるのです。したがって、流星が流れたとき、これを流れた元の方向へたどってみてください。もし、ペルセウス座にある放射点を通るようだったら、群流星である可能性が高いと考えられます。
また、一般的に放射点に近い場所に現れた流星は、経路が短く、放射点から遠い場所では、経路が長く見えます。もし放射点に近いのに、とても経路が長い場合は、群流星ではないことになります。また逆に放射点から離れているのに、とても経路が短い場合も、群流星ではないことになります。
下の図は、群流星かそうでないかの判定の例です。
(背景の星図はステラナビゲーターを使用して作図しています)
このほかに、流星の速度を参考にすることもあります。例えば11月のしし座流星群はとても速く流れるので、ゆっくりと移動する流星はしし座流星群の群流星では無いことになります。ペルセウス座流星群もとても速い流星群なので、もしゆっくりと動いて見えた場合には、群流星ではないと判断してもよいでしょう。
なお、群流星かそうでないかの判断は、ベテランの観測者でも難しい場合があります。例えば、上の図の5の流星は、実は群流星の可能性も少なからずあり、実際の観測現場でも判断がわかれるかもしれません。眼視観測では、多少の誤差は必ずあります。最初はあまりこだわらずに、判定することにチャレンジしてみましょう。