流星(「流れ星」とも言う)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて、大気と激しく摩擦を起こし、高温になると同時に光って見える現象です。
このようなチリの粒を軌道上に放出しているのは彗星で、チリの粒の集団は、それを放出した彗星の軌道上に密集しています。彗星の軌道と地球の軌道が交差しているところでは、チリの粒がまとめて地球の大気に飛び込んできます。地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっていますので、特定の時期に特定の流星群が出現するわけです。
このとき、地球に飛び込んでくるチリの粒は同じ方向からやってきます。それぞれのチリの粒はほぼ平行に地球の大気に飛び込んできますが、それを地上から見ると、その流星群に属している流星は、星空のある一点から放射状に飛び出すように見えます。流星が飛び出す中心となる点を「放射点」と呼び、一般には、放射点のある星座の名前をとって「○○座流星群」と呼ばれます。ペルセウス座流星群の放射点は、ペルセウス座γ星の近くにあります。
ペルセウス座流星群は、毎年8月12日・13日頃を中心に活動している流星群です。ペルセウス座流星群の活動は7日頃から15日頃まで続くため、その期間は流星の出現が期待できます。
ペルセウス座流星群は、流星を初めて眺めようという人にもお勧めの流星群です。
その理由のひとつは、流星の出現数が多いことです。毎年、ほぼ決まって、たくさんの流星が出現し、1月の「しぶんぎ座流星群」、12月の「ふたご座流星群」と並んで「三大流星群」と呼ばれています。十分に暗い夜空で晴天に恵まれれば、1時間に30個を越える流星を見ることができます。
もうひとつの理由は、活動期間が多くの方の夏休みやお盆休みに重なっているため、夜更かしをしたり、星のよく見える場所に行ったりしやすいことです。
その他、暖かい季節に活動することも、観察をしやすくしています。三大流星群のうち「しぶんぎ座流星群」と「ふたご座流星群」は冬に活動するため、長い時間屋外で流星を観察していると、体が冷えてたいへん辛いことがあります。しかし、ペルセウス座流星群は夏のさかりに活動しますので、寒さについてあまり心配する必要がありません。(それでも、長時間屋外にいると普段より体が冷えますので、寒さには十分注意してください。)
流星群の流星がいつごろいちばん多く見ることができるかを考えるには、主に3つのことを考える必要があります。
ひとつは流星群自体の活動の活発さです。
流星群の活動は徐々に活発になり、最も活発な時期を迎えて、その後は沈静化していきます。流星群が最も活発に活動すること(またはその時期のこと)を「極大」と呼びます。
もうひとつは、放射点の高度です。
放射点の高度が低い(地平線に近い)ときには、多くの流星が出現することはあまり期待できません。放射点の高度が低いときには、流星の元になるチリが大気に斜めに飛び込んでくることになります。チリが斜めに飛び込んでくると、真上から飛び込んできたときと比べて、観察者から見ることのできる範囲の大気に飛び込んでくるチリの数が少なくなるため、流星の数も少なくなります。
反対に、放射点の高度が高い(頭の真上に近い)ときには、チリが真上近くから大気に飛び込んできて、チリの数が多くなるため、流星の数も多くなります。
それから月明かりです。
明るい月が空に姿を見せていると、その明るさに隠されてしまって、暗い流星が見えなくなってしまいます。ですから、月が空に出ていないときの方が、より多くの流星を見ることができます。(満月に近い太った月ほど、明るい上に夜間に出ている時間が長いため、流星観察の妨げになります。)
今年のペルセウス座流星群の状況については「観察の仕方:何日の何時頃に見ればよい?」をご覧ください。
2009年8月13日撮影の流星の動画をご覧いただけます。