世界天文年2009日本委員会 公認イベント
国立天文台では、できるだけ多くの方に夜空を眺める機会を持っていただこうと、毎年12月に活動するふたご座流星群を観察対象に、今年で4回目となる「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーンを行います。ふたご座流星群の活動が活発になると思われる12月11日の夜から15日の朝までの4夜の間に15分間以上星空を眺め、結果を報告ページから報告していただこうというものです。
携帯電話からでも参加できますので、これまで流星を見たことのない方なども、ぜひお気軽にご参加ください。
「曇ってしまった」「流星が見えなかった」なども立派な観察結果ですので、是非報告してください。
ご報告をいただく項目は、「流星を見た時刻」「流星を見ていた時間」「群流星を区別したかどうか」「都道府県」などです。
今回は、4,097件のご報告をいただきました。たくさんのご報告ありがとうございました。
→最終集計結果はこちらをご覧ください。
携帯電話用のキャンペーンページへは、 http://naojcamp.nao.ac.jp/i/phenomena/20091211/ からアクセスしてください。
携帯電話用ページでは、通常の報告ページによる報告とともに、「初級編」の報告も受け付けます。
2009年12月14日23時10分に出現した、ふたご座流星群の火球の画像を提供していただきました。この夜は、ふたご座流星群の明るい火球がいくつか出現し、お問い合せも多く頂いておりましたので、こちらに掲載いたします。ぜひご参照ください。
画像提供(撮影):宮崎秀公(二次利用可) 観測地:山梨県鳴沢村
撮影日時:2009年12月14日23時10分
クリックすると拡大します。 中サイズ画像(571KB) 大サイズ画像(3.2MB)
2009年12月14日撮影の流星のムービーをご覧いただけます。
観測地:茨城県常陸大宮市
撮影・著作:国立天文台天文情報センター
※ファイルはウィンドウズメディアプレイヤー形式(wmv)です。
超高感度ビデオカメラによるふたご座流星群のカラームービーを提供していただきましたので、掲載します。
撮影日:2009年12月14日
撮影地:茨城県常陸大宮市
撮影者:竹本宗一郎(ZERO CORPORATION)
撮影協力:佐藤幹哉(国立天文台天文情報センター)
【※二次利用不可】
ふたご座流星群を観察するのに役立つ情報をまとめたページを作成しました。参考にしてください。
→ 「ふたご座流星群を観察するには(Q&A)」のページはこちら
また、もっと詳しく流星群を観察したいという方には、上級者向けの観察ガイドを用意しました。「上級者向け」と言っても、いくつかの点に注意すれば、簡単に始めることができますので、ぜひチャレンジしてください。
2009年は、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を夜空に向け、宇宙への扉を開いてから400年経った節目の年として、国際連合・ユネスコ・国際天文学連合によって「世界天文年」と定められました。国立天文台ではこの2009年に、「世界天文年2009日本委員会公認イベント」として、「三大流星群」と呼ばれる3つの流星群(しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群)を対象にして、それぞれの活動時期に合わせた3つのキャンペーンを、「世界天文年2009 公認イベント」としておこなっています。
3つのキャンペーンすべてに参加しなければいけないということではありませんので、これまでのキャンペーンに参加しなかった方も、これからのキャンペーンに参加して、あらためて星空の美しさや宇宙の不思議に触れてみませんか。
今回のキャンペーンに参加して観察結果の報告後にメールアドレスを登録すると、次のキャンペーンのお知らせをそのアドレスにお届けします。ぜひ登録をお願いします。
流星(「流れ星」とも言う)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて、大気と激しく摩擦を起こし、高温になると同時に光って見える現象です。
彗星はこのようなチリの粒を軌道上に放出しています。チリの粒の集団は、それを放出した彗星の軌道上に密集しています。彗星の軌道と地球の軌道が交差しているところでは、チリの粒がまとめて地球の大気に飛び込んできます。地球が彗星の軌道を横切る日時はほぼ毎年決まっていますので、特定の時期に特定の流星群が出現するわけです。
このとき、地球に飛び込んでくるチリの粒は同じ方向からやってきます。それぞれのチリの粒はほぼ平行に地球の大気に飛び込んできますので、それを地上から見ると、その流星群に属している流星は、星空のある一点から放射状に飛び出すように見えます。流星が飛び出す中心となる点を「放射点」と呼び、放射点がある星座の名前で「○○座流星群」と呼ばれます。ふたご座流星群の放射点は、ふたご座α星(カストル)の近くにあります。なお、放射点が地平線付近にあるときは、ほとんど流星は出現しません。流星群の活動が同じだと仮定すると、放射点の高度が高くなるにしたがって流星の出現数は多くなります。
なお、ふたご座流星群の母天体は、長い間わかりませんでした。しかし、最近の研究で母天体が小惑星ファエトンであることが解ってきました。この小惑星ファエトンは、元々は彗星だったのですが、塵(ちり)を出し尽くしてしまった天体だと考えられています。
写真は、2004年のふたご座流星群の流星です。
(画像提供:国立天文台、撮影:佐藤幹哉、二次利用可)
日時:2004年12月14日 3時23分40秒〜24分10秒(露出30秒)
機材:EOS Kiss Digital 20mm f2.8(開放)ISO 1600に設定
場所:茨城県常陸大宮市
→中サイズ画像(319KB) →大サイズ画像(2.2MB)
ふたご座流星群は、毎年12月14日ごろを中心に活動している流星群です。今年はおおよそ14日の真夜中(15日0時)以降から15日の真夜中前(日本時間)にかけて最も多くの流星が出現するだろうと予想されていますが、ふたご座流星群の活動は数日間続きますので、極大の前後にも流星の出現が期待できます。
ふたご座流星群は、流星を初めて眺めようという人にもお勧めです。
その理由のひとつは、流星数が多いことです。毎年、ほぼ決まって、たくさんの流星が出現します。1月のしぶんぎ座流星群・8月のペルセウス座流星群と並んで「三大流星群」と呼ばれています。4等星まで見えるような平均的な空で晴天に恵まれれば、1時間に15〜20個の流星を見ることができます。十分に暗い空ならば、より多くの流星を見るチャンスがあります。
※見える流星の数については「観察Q&A:どのくらいの数の流星が見えるの?」をご覧ください。
→「観察Q&A:どのくらいの数の流星が見えるの?」のページはこちら
ふたつ目の理由は、夜中前にも流星が出現することです。三大流星群のうちペルセウス座流星群やしぶんぎ座流星群は、どちらも深夜から明け方の時間帯を中心に流星が出現します。しかし、20時頃の早い時間帯から出現するふたご座流星群は、お子さんにとっても観察しやすい流星群といえるでしょう。
また今年特にお勧めする理由は、月明かりの影響を受けることなく観察できることです。明るい月があると、暗い流星が見えなくなり、観察できる流星数は減ってしまうのです。同じ時期であっても月の状態は年によって違いますが、今年の状況は、月の出が13日の夜は(翌14日の)4時30分頃、14日の夜は(翌15日の)5時30分頃と遅い上に、月も細いため、ほとんど月明かりの影響を受けることなく流星を観察できます。
観察方法については、Q&Aのページをご参照ください。
→「ふたご座流星群を観察するには(Q&A)」のページはこちら
当ページへリンクされる際に、よろしければご利用ください。
バナー(300×38)
本ページで使用している画像の著作権と利用に関しましては、以下の説明に従ってください。