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しし座流星群を観察するには(Q&A)

2009年のしし座流星群:観察方法の解説

 しし座流星群の流星を観察する方法などについて、Q&A形式で解説します。


以下の質問をクリックすると該当箇所にジャンプします。

しし座流星群を観察するには(Q&A)

いつ見ればよい?(日付け)

 今年のしし座流星群が最も活発になると予想されるのは、11月18日朝の時間帯です。したがって、しし座流星群の流星を多少でも多く見るためには、11月18日の明け方の観察に限られます。また、11月18日の夜ではありませんので、ご注意ください。

 しし座流星群自体は、11月の中旬から下旬にかけて、流星が出現します。しかし18日の明け方以外は、流星数が極端に少なくなります。市街地では、ほとんど流星を見ることができないと考えてよいでしょう。

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何時に見ればよい?

 しし座流星群が最も多く見られる「極大」は、11月18日の6時から7時の時間帯と予想されています(1時間程度前後することは考えられます)。この時間帯は、日本では夜明け後にあたり観察できません。

 したがって、より多くの流星を見るためには、11月18日の明け方、空が明るくなり始める直前が好条件です。東日本では、およそ4時から5時頃が適しています。余裕がある場合には、3時頃から観察するとよいでしょう。
 西日本では、夜明けが遅くなりますので、数十分遅い時間帯まで観察できます。

各地の日の出時刻を調べるには、暦計算室の「こよみの計算」へ
※ 空が明るくなり始めるのは、日の出の約1時間半前です。また、このページで計算できる「夜明け」の時間帯は、すでに空が明るくて流星を見るには適していません。

 しし座流星群の流星は、放射点が地平線から上る23時以降、出現する可能性があります。しかし今年のしし座流星群の場合、11月18日の明け方(17日深夜以降)でも、3時以前に見られる流星数は、極端に少ないでしょう。

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どのくらい見えるの?

 一つの研究成果に基づいて計算した場合には、2等星までしか見えないような市街地では、最も多く流星が見えると予想される11月18日の明け方4時〜5時の1時間に観察できる流星の推定数は、2〜3個です。4等星が見えるような平均的な空ではおよそ10個弱、6等星が見えるようなきれいな空ではおよそ35個となります。

 なおこの予測には、誤差が含まれています。これよりも多く見える可能性もありますし、かなり少なくなってしまう可能性もあります。ご了承ください。

 詳しくはトップページをご覧ください。

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日本全国で見えるの?

 しし座流星群の流星は、日本全国どこででも見ることができます。ただし、今年のしし座流星群の場合は、予想される極大が日本の夜明けの後の時間帯にあたります。その点から考えると、より西の地域の方が夜明けが遅いため、極大に近い時間帯を観察することができ、見える流星の数は多くなりそうです。

 ちなみに世界的に見ると、予想される極大の時間帯で観測に適しているのは、中央アジア近辺となります。そこから離れるほど、観測条件は悪くなります。

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どんな場所で見ればよい?

 流星を観察する場所ですが、できるだけ、街灯など人工の明かりが少ない場所を選びましょう。流星などほとんどの天体が出す光は、街灯の明かりなどに比べるととても弱いものです。人工の明かりが少なければ、人工の明かりに邪魔されて見ることができなかった暗い流星も見ることができるようになり、それだけ、多くの流星を見ることができます。

 また、大都市には人工の明かりがたくさんあります。大都市から離れることでも、暗い流星を見ることができるようになります。

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どんな道具が必要?

 望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で観察してください。
(望遠鏡や双眼鏡を使用すると、見ることのできる範囲がたいへん狭くなるために、かえって観察しづらくなります。)

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どの方向を見る?

 見る方向を気にする必要はありません。

 しし座流星群の放射点は、しし座γ(ガンマ)星の近くにありますが、放射点のある方向だけに流星が出現するわけではなく、流星は夜空のどこにでも現れます。放射点近くに出現する流星は、こちらに向かって飛んでいるために短い軌跡の流星が多く、一方、放射点から離れた方向では、流星の軌跡を横から見ることになるために、長い軌跡の流星が多く観察されます。

 ですから、放射点の方向にはあまりこだわらず、できるだけ空が広く見渡せる場所を選んで、空の広い範囲に注意を向けるようにしましょう。空をより広く見渡しているほうが、より多くの流星を捉える可能性が高くなります。

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他に注意することは?

 遅い時刻に屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子さんは、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。また、まわりの皆さんの迷惑にならないよう気をつけてください。

 明るい屋内から屋外に出てすぐには、目が暗さに慣れていません。何分か屋外にいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。

 また、普段の生活では、夜の屋外で何十分もじっとしていることはなかなかないかもしれません。季節は秋ですが、明け方には真冬並の寒さになることもありますので、十分注意してください。普段外出するときよりも厚着をする、防寒着や寝袋を使うなど、寒さ対策を十分にして観察に望んでください。

 立ったままで流星を観察すると、上を向いた無理な姿勢を長時間続けることになります。レジャーシートなどを用意して、寝転がったまま観察できる準備をしておくと、楽に長時間観察を続けることができます。

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