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流星と流星群
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このとき、地球に飛び込んでくるチリの粒は同じ方向からやってきます。それぞれのチリの粒はほぼ平行に地球の大気に飛び込んできますが、それを地上から見ると、その流星群に属している流星は、星空のある一点から放射状に飛び出すように見えます。流星が飛び出す中心となる点を「放射点」と呼び、一般には、放射点のある星座の名前をとって「○○座流星群」と呼ばれます。ふたご座流星群の放射点は、ふたご座α星(カストル)の近くにあります。
流星の出現数ですが、流星群の放射点が地平線付近にあるときには、チリが大気にななめから飛び込んでくるためにチリの数は少なく、流星はほとんど出現しません。流星群の活動の活発さが変わらないと仮定すると、放射点の高度が高くなるにしたがって流星の出現数は多くなります。
なお、ふたご座流星群の母天体は、長い間わかりませんでした。しかし、最近の研究で、母天体が小惑星ファエトンである可能性があることがわかってきました。この小惑星ファエトンは、元々は彗星だったものが、チリを出し尽くしてしまった天体なのではないかと考えられています。

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